レイチェル・カーソンの本『沈黙の春』――環境問題について考えよう

科学

読書ミュージアム館長の秋月春花です♪

本日は、現代に通ずる環境問題を真っ正面から暴いたレイチェル・カーソンによる本『沈黙の春』についてレビューしていきます。

レイチェル・カーソン『沈黙の春』の購入はこちらから。

販売業者大日本印刷株式会社
運営責任者田宮 幸彦
所在地〒141-8001 東京都品川区西五反田3-5-20
電話番号0120-29-1815

 

農耕文化――それは人類が存続していくために欠かすことのできない生活スタイルとして定着してきました。

同時に、人類は文明や科学の進歩によって様々な化学薬品を生み出し、その威力に目がくらんだ使用者たちによって化学薬品が積極的に使われてきました。

農場からたった二、三種類の害虫を駆除するため、空中から大量に農薬を撒布するという行為が、あちこちで見られるようになったのです。

本作『沈黙の春』は、生物学者レイチェル・カーソンによって書かれました。

内容を簡潔に述べると、すべての生命の存続のためにも、化学薬品を使用し続けることの恐ろしさ、愚かさを真っ正面から暴いた本、といったところでしょうか。

結論から先に申し上げて、『沈黙の春』は地球に住む生命の一つである私たち人間が必ず読むべき書であると言うことができるでしょう。

なぜなら、私たちはもはや環境問題と自分たちの生活とを切り離して考えることはできない時代に生きているからです。

たった一回スプレーするだけで大量の害虫を殺せる化学薬品。

しかし、その実態は、たった一種類の害虫を殺すにはとどまりません。

本来私たちにとって有益となる虫たちも、美しい歌を奏でる鳥たちも、水に棲む魚たちでさえも化学薬品の犠牲となり、汚染されるのです。

それが食卓を介して体内に入ることによって人間の身体を内部から破壊し、死へと導いていく――。

そんな化学薬品の恐ろしさを暴いた『沈黙の春』が一体どういった作品なのか、実際に読んだ感想など、これから詳しく綴っていきますね。

『沈黙の春』の著者はレイチェル・カーソン

『沈黙の春』の著者は、1907年にアメリカのペンシルベニア州にて農場主の娘として生誕したレイチェル・カーソン。

1962年に本作『沈黙の春』を発表し、環境問題を告発した生物学者として知られています。

農薬などに代表される化学薬品使用による危険性を訴え、アメリカにて半年間で50万部も売り上げ、ベストセラーとなりました。

本作の出版による影響は大きく、後のアースディや1972年の国連人間環境会議のきっかけとなっています。

また、それまであまり目が向けられることのなかった環境問題を人びとに強く意識させ、今日の世界的な環境保護運動への大きなうねりとなりました。

本作の他、『潮風の下で』、『海辺』などの作品があります。

1964年4月に逝去されましたが、本作『沈黙の春』は今後の人類の存続について深く考えさせられる内容であり、私たちには彼女の意思を受け継いでいく使命があるといえるでしょう。

レイチェル・カーソン『沈黙の春』の内容

では、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』とは一体どんな内容の本なのでしょうか。

章を一部抜粋して書いてみますね。

負担は耐えねばならぬ

この章では、当時のアメリカで一般的に使われていた化学薬品――主に殺虫剤が及ぼす影響について解説。

化学薬品の種類は多岐にわたり、使用される場面も農園、庭園、森林や家庭など、一カ所にとどまりません。

しかし、そうやって化学薬品を濫用することは、たった二、三の雑草をはびこらせないため、わずか二、三の昆虫が邪魔なためであり、そのために益虫までもが殺されてしまうのです。

地表の生命あるものすべてが化学薬品の毒によって汚染され、それを無視することは非常に危険であり、「殺虫剤」とは言うが、もはや「殺生剤」であるとまで言い切る著者。

その事例を挙げた上で、化学薬品は核兵器とならぶ重大な問題であることが述べられています。

人間を含むすべての動植物の組織の中に有害物質が知らず知らずのうちに蓄積され、遺伝をつかさどる部分までもが破壊されてゆく――こんな恐ろしい力を持っているのが、化学薬品なのです。

何のための大破壊?

この章では、人類はなぜ無意味な大破壊、大虐殺を繰り返すのかについて、マメコガネを事例として取りあげながら解説。

マメコガネとは、偶然にアメリカに入ってきた昆虫でした。

この昆虫を撲滅するために使われた化学薬品がアルドリン――アスピリン一錠の分量で400羽以上のウズラを殺せるという威力のある劇薬です。

マメコガネというたった一種類の虫を殺すために、そんな劇薬であるアルドリンを空中から大量に撒布したらどうなるか・・・。

飼っている猫も牛も、野原を駆け回るウサギも、空高くさえずる鳥たちも、みんな犠牲になってしまうのです。

なぜそんな劇薬を使ったのか――よく効くからではなく、手に入る化学薬品の中でも単にアルドリンが安価だったから、という理由でした。

大量撒布されたアルドリンを浴びた生物がどうやって死んでいくのか、事例をもとに説明されています。

死の川

この章では、殺虫剤が川におよぼす影響について解説。

ばらまかれた殺虫剤は風にのってすぐに飛散するため、川も汚染されることは必然です。

一度毒によって汚染されてしまった川から毒を抜くことは、きわめて難しいと言わざるを得ません。

たとえ川の下流に行ったとしてもその毒は完全に消えることはなく、川に住む生物に影響を及ぼすことになります。

川が海とつながっているのは周知のことですから、この川の水が海に流れ込むとどうなるか。

海のごちそうとして私たちの食卓を賑わせてくれる生物は死滅し、かろうじて生きているものがあったとしても、それを食した私たちの体内にも毒が蓄積されていきます。

淡水、海洋漁獲は私たちの食生活や健康と切っても切り離すことのできない大切な資源――その資源を守るために、一刻も早く建設的な研究が必要であると著者は述べています。

べつの道

この章では、化学薬品に代わる「べつの道」を模索することで、人類の破滅を未然に防ぐことについて解説。

化学薬品を使い続けてきた結果として人類が得たものは、目指す相手ではなく自分自身の破滅を招くことでした。

自然界には本来、わざわざ人間が手を下すまでもなく自然界のルールが出来上がっており、その不思議な営みが生命を育んできたのです。

その自然の営みをこれ以上壊すことのないように、私たちにできることは何か。

この美しい地球に住む生命体が人間だけではないことに立ち返り、我々が向き合っているのは生命あるものなのだということを意識すべき――。

駆虫のために使用された化学薬品が、他ならぬこの美しい地球を破壊するものであることを肝に銘じ、生命の存続のために努力が必要不可欠であると述べられています。

レイチェル・カーソン『沈黙の春』のレビューと感想

ここからは、レイチェル・カーソン『沈黙の春』のレビューと感想について書いていきますね。

私が初めてレイチェル・カーソンの存在を知ったのは高校生の頃で、英語の授業で題材として取りあげられたのが本作『沈黙の春』でした。

すべてではなく重要な内容をかいつまんでの授業ではありましたが、殺虫剤が人体や生態系にもたらす恐ろしさを目の当たりにし、高校生ながらも身震いしたことを覚えています。

大人になってから本作を通読し、未だ大きな課題として残されている環境問題について改めて考えさせられる良い機会となりました。

そこで思い出されるのが、今やニュースなどでも必ず耳にするSDGsという言葉です。

※引用: https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html

SDGsとはそもそも何か――ここで詳細を書くとそれだけで記事がひとつできあがってしまうので、申し訳ありませんが簡単に述べるにとどめますね。

SDGsとは日本語で言うと「持続可能な開発目標」のことで、2030年までに世界中が一丸となって達成すべく掲げられた17のグローバル目標のことです。

その中でも環境問題に関係のある目標はいくつかあり、安全な水へのアクセス、クリーンなエネルギー、海洋や森林の豊かさを守ること、気候変動への対策などでしょうか。

環境問題は私たちの暮らしそのものと切り離して考えることはできないので、消費や住まいに関する目標とも関係していると言えるでしょう。

本作『沈黙の春』でも、空中から大量撒布された化学薬品は建物にも付着するし、大地を汚染し、水を毒にさらし、食卓を通して私たちの体内に蓄積され、身体を破壊していくことが述べられています。

そしたら今現在の私たちの環境も、すべて汚染されてしまっているのでは!?

と、急に怖くなってくる方もいらっしゃるかもしれませんね。

本作が書かれた1962年当時から比べると、現代は環境への配慮もなされるようになってきたし、衛生面にも気を遣うようになってきました。

なので、なんでもかんでも必要以上に恐れなくてもいいと思います。

恐れてばかりいるだけでは、生活そのものが成り立たなくなってしまいますからね。

しかしながら、実際にこうして環境問題が現代まで残っているのは事実です。

普段から環境問題を意識し、自分なりに向き合っていくことはとても重要なことだと言えるでしょう。

レイチェル・カーソン『沈黙の春』は必ず読むべき?

私はこの記事の冒頭で、『沈黙の春』は地球に住む生命の一つである私たち人間が必ず読むべき書であると述べました。

その理由について、これから書いていきますね。

レビューと感想のところでも書いた通り、環境問題は現代でも残る課題であり、私たちの生活と切り離して考えることはもはやできない時代に入っています。

エコ○○という言葉が多く聞かれるようになったことからもわかる通り、昨今は人びとの環境意識も大きく変わり、一人ひとりが環境を意識するようになってきました。

その一人ひとりの意識の変革こそが、とても大切です。

自分一人じゃ何も変わらないと思っていても、その一人が十人、百人になれば、大きなうねりとなることは間違いありません。

環境問題と言うとなんだか途方も無く大きな壁のように思えるけれど、結局は一人ひとりが環境問題を我が事と捉え、できることから始めるのが一番の近道なのではないでしょうか。

それが積み重なっていけば必ず地球を守っていくことができると私は考えています。

そもそも化学薬品は人の手によって生み出されたもの――。

人間が地球を傷めつけてしまったのは事実ですが、だからこそまた人間の手で美しい地球を取り戻していくことも、決して不可能ではないはずです。

その意識を持ってもらいたくて、本作は地球に住む生命の一つである私たち人間が必ず読むべき書であると結論づけました。

レイチェル・カーソン『沈黙の春』の口コミ

本の販売サイトにレイチェル・カーソン『沈黙の春』に関する口コミが載っていましたので、良い口コミと悪い口コミについて私なりにまとめてみました。

詳しい口コミ内容については、こちらの販売サイトをご参照ください(^^)

良い口コミ

まずは良い口コミから。

・人間の傲慢さ、経済至上主義の危うさ、無知の暴力の恐ろしさが明確。
・環境問題について学ぶ上では、絶対に外してはいけない本。
・地球の一住人として、読んで良かったと思える本。
・我々に何が出来るか、何を成すべきかについて答えてくれる名著。
・化学に対して人間が持つべき責任を教えてくれる教科書。

悪い口コミ

では次に、悪い口コミについて見てみましょう。

・文章がなかなかに高度で圧倒されてしまい、かなり読みにくかった。
・同じことが繰り返し述べられ、専門的な化学物質もたくさん出てきて大変だった。
・本の影響を受けやすい人は読まない方がいいかも。
・事例が多すぎるし、まとまりも悪くて、読んでいるうちに飽きてくる。
・60年前に書かれたもので現代の状況とは異なる。盲目的に信じるのは良くない。

【評価】レイチェル・カーソン『沈黙の春』

ここからは、レイチェル・カーソン『沈黙の春』の評価について書いていきますね。

値段はどうなの?

『沈黙の春』の値段は文庫版、電子書籍版ともに781円で購入できます(ともに税込)

専門性の高い内容にはなっているものの、環境問題という私たちにとって見過ごすことのできない問題を扱っています。

人類のみならず、昆虫や動植物、そして私たちを取り巻く土、水、空気――地球に存在するすべての生命のために、私たちにできることは何か。

こういった問題と改めて向き合うためにも、本作は値段以上の価値はあると言えるでしょう。

気軽に読める?

人類だけにとどまらず、鳥や動物たちにも計り知れない影響を与える化学薬品――。

本作はその実態を暴いた書であり、どうしても生々しい描写も出てきます。

思わず目を背けたくなるような現実が書き連ねられており、決して気軽な気持ちで読むことはできないかもしれません。

しかし、地球の未来は、他ならぬ私たちのこれからの行動にかかっています。

ぜひ、勇気を出して手にとってみてくださいね。

本当にあったことなの?

ここまで書いてくると、本作に書かれていることがなかなか信じられないという方もいらっしゃるかもしれません。

特に殺虫剤は今までで一度も使ったことがないという方はいらっしゃらないと思いますし、それが実は危険なんだと言われても、なんだかピンと来ないですよね。

現在使われている殺虫剤は以前に比べると人体への影響などもかなり考慮されているはずなので、来たるべき場面が来たときに使うこと自体は私も否定しません。

また、本作で紹介されている事例は遠く海を隔てたアメリカの地で起こった出来事なので、私たち日本人にとって身近な問題として意識するのはなかなか難しいのも仕方の無いことではあります。

しかしながら、エコ○○という言葉がなぜこんなにもあちこちで聞かれるようになったのか、なぜSDGsという言葉が生まれたのか。

その意味を考えれば、環境問題が決して他人事ではないということが身に迫ってくるのではないでしょうか。

現実に起こっていることから目を背けるのではなく、現実に起こっているからこそ真剣に向き合い、地球の未来を一緒に考えていければと思います。

オススメできる方

本作は、こんな方にオススメです(^^)

・環境問題に関心のある方。
・『沈黙の春』というタイトルに込められた意味を知りたい方。
・化学薬品が人体や生態系に与える影響について知りたい方。

オススメできない方

こんな方には、オススメできません。

・生々しい描写がニガテな方。
・理系の本がニガテな方。
・本に書かれている内容をそのまま鵜呑みにしてしまいがちな方。

まとめ

レイチェル・カーソンによる本『沈黙の春』について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。

本作は、当時まだそれほど目が向けられていなかった環境問題に対して真っ正面から取り組み、その衝撃的な内容は世界中を震撼させました。

日常で当たり前のように使っている殺虫剤が人体や生態系を破壊し、地球そのものを汚染する――。

化学薬品の危険性に気付いていたけど見て見ぬふりをしてきた結果が、こんな恐ろしい事態を招いてしまいました。

60年も前から環境問題が叫ばれ続けていながら、愚かな人類は未だに何一つ解決の目処を立てることができていません。

それどころか、問題は山積しています。

化学薬品の存在だけではありません。

止まらない砂漠化や地球温暖化、森林破壊、異常気象――そのどれもが、環境破壊による影響を受け、私たちの生活を脅かしています。

特に地球温暖化は深刻な問題であり、海面の上昇によって水没する危険があると言われている国家もあるとのこと。

考えたくないかもしれないけれど、日本も島国ですから、このまま環境問題が改善されなければ、いつか日本だって水没の危機に瀕してしまうかもしれないのです。

また、核兵器保有や原発問題なども、まさに本作で書かれていることと直結するテーマと言えるでしょう。

こんなに問題ばかりが山積している現代に生きる私たち・・・。

自分たちには一体何ができるというのでしょうか・・・途方もなく大きな問題を目の前にして、私たちには何も為す術がないのでしょうか。

決して、今からでも遅いことはありません。

もうこれ以上地球を傷つけることのないように、今SDGsという目標を掲げて世界が一丸となって努力しています。

ようやく全世界が、全生命の存続と愛する地球の未来のために動き始めたのです。

スケールの大きな問題でも、私たちにもできることは必ずあるはず。

美しい緑と水のほしを守るために――。

小さなことからで良いのです、身近なところからでもかまわないのです。

その一歩が積み重なっていけば、必ずやこの地球を、かけがえのない生命を守っていくことができるに違いありません。

私、秋月春花が自信を持ってオススメするので、あなたもこれを機に本作を通して環境問題について考えてみませんか。

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