読書ミュージアム館長の秋月春花です♪♪
話題の映画やドラマ、アニメの多くには、「元となる作品」つまり「原作」が存在しています。
映像化を通して作品をより多くの人に知ってもらうことができる反面、原作ファンにとっては、映像化されたことで作品のクオリティが下がってしまったと感じてしまうこともあります。
なぜ、作品が映像化されるとそのように感じてしまうのでしょうか。
また、映像化にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
そこで今日は、
・原作ファンが感じること
・原作と映像化作品との向き合い方
この3点について書いていきます。
そもそも原作とは?
まず、原作という言葉について簡単に説明しておきます。
冒頭にも書いた通り、原作とは様々にメディア展開されている作品の元になった作品のことです。
小説が原作になることもあれば、漫画が原作になることもあり、この二つのパターンがもっとも馴染み深いでしょう。
ドラマを例にとると、堺雅人さん主演の『半沢直樹』は小説が原作ですし、阿部寛さん主演の『ドラゴン桜』は漫画が原作です。
上記に限らず、最初にゲームとして登場したものが映画やアニメになったケースもありますので、この場合はゲームが原作ということになります。
有名どころだと、『バイオハザード』や『ストリートファイター』などがこれに当たりますね。
このように、メディアを通して様々な手法で展開されている作品の元となるものを「原作」と呼んでいます。
ゲームが原作のものについては今回のテーマからは外れますので、今回は小説、漫画が原作の映像化作品について書いていきます。
なぜ作品は映像化されるのか
「超人気のあの漫画、ついにアニメ化!」、「話題のあの小説があの人気俳優で映画化決定!」といった謳い文句を目にすることが多くなりました。
このような宣伝に対し、なぜわざわざ作品を映像化するんだろうと疑問に思ったことのある人も多いのではないしょうか。
その答えはまさに今書いた通りで、「宣伝のため」ということが挙げられます。
タイトルを聞く限り誰も知らないような作品だったとしても、映像化という手段によってより多くの人に一気に作品を知ってもらうことができます。
また、人気俳優や今をときめく声優陣をキャスティングすることによって世間の注目がさらに高まり、否が応でも人びとの話題に上るようになります。
映像化されたものが良い評判を得ると、ドラマやアニメの中から流行語が生まれたり、続編が期待されたりしますよね。
そして多くの人はこう考えるはずです。
「そんなに面白い作品なら、原作も読んでみようかな」
その結果、原作の知名度もますます上がり、映像化作品とともに売り上げがバンバン伸びていくことになります。
文学界・漫画界のみならず様々な業界にとって、作品を映像化することはメリットがあると言えそうです。
それまで漫画など全く興味のなかった人が、アニメ化によって作品を知るようになり、急にその作品に詳しくなった、というエピソードは周囲に一つ二つは転がっているのではないでしょうか(笑)
原作ファンが感じること
一方で、作品が映像化されることに対して複雑な気持ちを抱く人たちもいます。
それが、原作ファンの人たちです。
アニメ、ドラマ、映画にハマってから原作を読んだ場合、実際に映像化された内容とかなり違っていてビックリした、という経験は誰しもあるかと思います。
映像化作品は、収益やらなんやらオトナの事情で内容が原作からアレンジされたものが実際かなり多いです。
映画の場合は上映時間がだいたい2時間前後と決まっていますし、ドラマやアニメも放送時期や時間枠が決められています。
限られた時間の中で原作に描かれているすべてを映像化することには、やはり限界がありますよね。
どうしてもストーリーを削らざるを得なかったり、映像化オリジナルのエピソードを挿入する必要が出てきます。
その結果、原作ファンの人たちにとっては、原作が持つオリジナリティやクオリティが損なわれてしまったように感じ、複雑な気持ちになるのでしょう。
一番削ってはいけない話だったのに削られたとか、もはや原作とはまったく違う性格に設定されてしまった人物とかがいると、「原作が汚された」と感じてしまうのも無理はないのかもしれません。
原作と映像化作品との向き合い方
私自身は、原作の内容を知った上で映像化作品を観たこともありますし、その逆もあります。
両方の目線を経験して感じることは、どちらが良いか悪いかを今この場で決めることは非常に難しい、ということです。
両者の内容があまりにもかけ離れているようであれば、もはや双方まったく別の作品と思って向き合った方が良いかもしれません。
ちなみに、私は『ハリー・ポッター』シリーズが大好きで、原作も読んだし映画も観ました。
結果、どっちを選んでもとても素晴らしい作品であるということには変わりありません。
一つだけ挙げるならば、映画を観てから原作を読むと、どうしても登場人物が映画のキャストとイコールになってしまうことですかね。
ハリーはダニエル・ラドクリフ、ロンはルパート・グリント、ハーマイオニーはエマ・ワトソン。
どうしてもこの3人の顔が出てきてしまいます(笑)
すでに自分が映像の中で観た俳優や声優のイメージが定着してしまうことは、映像化作品を観てから原作を読むことのデメリットと言えるかもしれません。
私が選ぶ、「良かった」と思う映像化作品3つ
ここからはオマケです♪
私が今まで観てきた映像化作品の中で、「良かった」と思うものを3つ挙げてみます。
ドラマ『花より男子』
原作は、神尾葉子さんの漫画『花より男子』です。
平凡な女子高生・牧野つくしと、学園を牛耳るF4のメンバーが織りなす恋愛模様を描いた作品です。
ドラマ版と原作とではところどころ違いもありますが、原作本来の良さを殺すことなくうまくまとめられているように感じました。
このドラマの成功のポイントは、何と言ってもキャストの皆さんがハマり役だったところにあるのではないかと思います。
松本潤さん、小栗旬さんをはじめとするイケメン俳優たちに心を持っていかれた女性は少なくないのではないでしょうか。
私もその一人です(笑)
アニメ『聖闘士星矢』
原作は、車田正美さんの漫画『聖闘士星矢』です。
ギリシャ神話と星座をモチーフにしたバトル漫画で、5人の少年たちが地上の愛と平和のための闘いを通して成長していく物語です。
引用:http://www.saintseiya-official.com/special/animation.html
漫画そのものは1985年に連載開始されたものが最初ですが、現在でも新作が連載され続けている超人気作品です。
アニメ版と原作との違いは、何と言っても「北欧アスガルド編」が制作されたことでしょう。
アニメオリジナルストーリーでありながら見事に作り込まれた世界観と、キャラクター一人ひとりの設定がとても細やかで、アニメオリジナルとは思えない完成度の高さです。
アスガルド編の最後では、漫画本編で展開されている「ポセイドン編」にもうまく話をつなげていました。
アニメ版には立ち位置がなんだかよくわからない謎キャラも登場しましたが、個人的には原作と比較してもかなり面白く観られるのではないかなと思います。
美形ばかりですしね(笑)
アニメ映画『ノートルダムの鐘』
ヴィクトル・ユゴーの小説『ノートル=ダム・ド・パリ』が原作です。
ジプシーの女性エスメラルダと、彼女をめぐる3人の男たちの恋の物語です。
『ノートルダムの鐘』はディズニーによって制作されたアニメ映画ということもあり、(かなり無理して)明るい内容も入れていますが、原作自体はとてもシリアスで登場人物の設定や性格もまるで違います。
最大の違いは、アニメ版はハッピーエンドなのに対し、原作ではバッドエンド・・・誰ひとり報われません。
使われている音楽の美しさや物語の舞台となるノートルダム大聖堂の雄大さは映像の中で感じることができるので、アニメ版はアニメ版として別物として楽しむのが良いかもしれません。
ちなみにミュージカル版『ノートルダムの鐘』は、アニメ版と原作をうまく融合させたストーリーになっているようです。
ユゴーは『レ・ミゼラブル』の作者としても知られており、人間の持つ醜さ、愚かさ、そしてまた人類への限りない愛を謳った、深い作品を多く残しています。
※原作『ノートル=ダム・ド・パリ』のレビューについてはこちらからチェックできます♪♪
まとめ
作品の映像化について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。
昨今は実に様々な媒体を通じて作品が展開されており、私たちの日常の中で多くの作品が入り乱れるようになりました。
作品が映像化されるということは原作をより多くの人に知ってもらえる良い機会でもあるし、それだけ作品のファンが増えるということでもあります。
ファンが増えれば必然的に話題も増えるし、周囲とコミュニケーションを図る上で非常に役立ってもくれるでしょう。
映像化作品を通して流行語が生まれるなど社会現象にまでなると、その作品は映像化が成功したと言って良いかもしれません。
一方で、原作ファンからすると、映像化された内容次第では「原作が汚された」と感じることもあり、複雑な気持ちを抱くことにもなります。
小説は小説、漫画は漫画として、映像化されずに自分なりのイメージで読むことこそが何より楽しい。
それが原作ファンの偽らざる気持ちなのかもしれません。
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以上、読書ミュージアム館長の秋月春花がお送りしました♪
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