小説『クララとお日さま』でノーベル文学賞受賞者カズオ・イシグロの世界へ

海外文学

読書ミュージアム館長の秋月春花です♪

本日は、ノーベル文学賞受賞者であるカズオ・イシグロの小説『クララとお日さま』についてレビューしていきます。

カズオ・イシグロ『クララとお日さま』(早川書房)

『クララとお日さま』がどういった作品なのか、実際に読んだ感想など、ありのままに綴っていきますね♪

販売業者アマゾンジャパン合同会社
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カズオ・イシグロの小説『クララとお日さま』の値段と構成および概要

カズオ・イシグロの小説『クララとお日さま』は早川書房から日本語訳が出ています(訳・土屋 政雄)

値段はすべて税込で下記の通り。

物語の構成については第一部から第五部まであります。

本作の概要を簡単に述べると、人工知能を搭載したロボット・クララと病弱な少女ジョジーが織りなす友情の物語といったところでしょうか。

『クララとお日さま』の著者はカズオ・イシグロ

『クララとお日さま』の著者は、1954年生まれのイギリスの作家カズオ・イシグロです。

以下、敬称は略させていただきますね。

1986年にウィットブレッド賞(現在はコスタ賞と改称)を受賞した他、2017年にはノーベル文学賞を受賞したことでも話題になりました。

名前については、日本人的だなぁと感じた方もいらっしゃるかと。

それもそのはずで、カズオ・イシグロは日本人の両親のもと、長崎県に生まれ長崎県で育った日本人です。

幼少の頃に父の仕事の関係で渡英、1983年にイギリスに帰化しました。

作家としては『遠い山なみの光』、『充たされざる者』、『わたしを離さないで』、『忘れられた巨人』など、これまでに8つの長編小説を発表しています。

その累計発行部数は、2017年10月14日までの増刷決定分を含めて約203万部にものぼるんだとか。

このことからもわかるように、カズオ・イシグロは多くの人びとに親しまれている作家であると言えそうですね。

カズオ・イシグロの小説『クララとお日さま』の内容

カズオ・イシグロの小説『クララとお日さま』の内容としては、人工知能を搭載したロボット・クララと病弱な少女ジョジーが織りなす友情を描いています。

私たちにとってますます身近な存在となってきたAI――その未来を考える上でも、非常に考えさせられる作品と言えるでしょう。

登場人物

ここで、『クララとお日さま』の登場人物について簡単に説明しておきますね。

・クララ:人工知能を搭載したAF(人工友人)で、優秀な能力を持つ。
・ジョジー:病弱な女の子。AFとしてクララを選び、ともに生活するようになる。

他にも、下記のような人物が出てきます。

・リック:ジョジーの隣家に住む幼なじみの男の子。
・クリシー:ジョジーの母親。長女を亡くした経験から、「ある計画」を立てる。
・ポール:ジョジーの父親だが、すでにクリシーとは別れている。
・カパルディ:クリシーとともに「ある計画」をすすめる技術者。

もちろん他にも登場人物は出てきますが、最終的にはここに挙げた人物を主軸として物語が進んでいきます。

人間関係が複雑であったり、登場人物の多さに混乱してしまうことは小説を読む上でよくあることですが、本作は他の小説に比べるとそのあたりが随分縮小されているように思います。

その意味で、人間関係や登場人物を把握するにはそれほど苦労することはないかもしれません。

あらすじ

『クララとお日さま』のあらすじについて簡潔に書いてみますね。

高度な人工知能を搭載し、人間の子どもの一番の友人となって子どもの発達を支えることを役目とするAF(人工友人)。

特に優秀な能力を持つAFであるクララは、ある日ジョジーという名の少女と出会います。

ジョジーとともに暮らすうち、彼女が病弱であり余命幾ばくもないことを知ったクララは、やがてジョジーの母親クリシーから「ある計画」について話を持ちかけられます。

同意を示しつつも、ジョジーを助けるために密かに「お日さま」に祈りを捧げるようになっていたクララ。

果たして、クララの願いは「お日さま」に届くのでしょうか。

カズオ・イシグロの小説『クララとお日さま』を読んだ感想

ここからはカズオ・イシグロの『クララとお日さま』を読んだ感想について書きます。

※少しネタバレを含みますので、読まれる際はご注意ください!

その前にまず、私が本作を手に取るに至った経緯からお話しますね。

カズオ・イシグロその人の名前や作品名は私も聞いたことがあり、読書仲間にもこの方のファンは多いのですが、実は私自身はカズオ・イシグロの世界にまったく触れたことがありませんでした。

そんな中、『クララとお日さま』は本年(2021年)発売されたばかりということもあってか毎日のように私の周囲で話題になり、いつしか私自身も気になり始めていました。

なんといってもノーベル文学賞を受賞された方が書く作品ですから、やはり一度は読んでおかねばならないということで本作を手に取ったんですね。

表紙の絵柄を見る限り、とてもあたたかで心温まる物語なんだろうなと想像して読み始めたのですが・・・どうも私にはあまり合わなかったようです(^^;

と言うのも、出てくる単語が馴染みのないものが多く、その単語に対する説明もなされていないので、まず頭の中が「?」で埋まってしまいました。

本作でのみ使われる造語なんだとは思いますが、このあたりの説明が本文中にあればもう少し読みやすかったかなぁと思います。

あと、本作のテーマでもある「お日さま」の存在。

クララはどうやら「お日さま」を信仰の対象としているらしく、その描写がたくさん出てきます。

「お日さま」を神聖な気持ちで拝すれば、いつかきっと奇跡は起こる――キリスト教のような唯一神への信仰をイメージしたものの、キリスト教徒ではない私にはイマイチ理解が難しかったですね (^^;

※以下、少しネタバレを含みます!

クリシーの「ある計画」とは、もしジョジーが亡くなったらジョジーそっくりのスキンの中にクララを入れ、ジョジーとして生きてもらう、というものでした。

クララは、ジョジーの仕草や言葉遣いを完ぺきに演じることができたためです。

これに技術者であるカパルディも同意するわけですが、私はこの二人の考えには戦慄が走りました。

人は、誰もが「死」を迎えます。

どんな形であれ、遅かれ早かれ、人間を含むすべての生物は「死」から逃れることはできません。

確かに、人が亡くなることは辛いです・・・特にその人が自分の身内や近しい人であるならばなおさら。

できることなら目を開けてほしい、もう一度隣で笑ってほしい・・・そう願うのは人として当然の気持ちですし、無理もないでしょう。

でも、だからといって、その人そっくりのスキンの中にAFを入れてその人として生きてもらうなんて・・・。

それで満足できる人もいるかもしれないけれど、それって結局単なる自己満足ですよね。

一度「その時」を迎えてしまった人間とそっくり同じスキンが歩いていたら・・・本当に申し訳ないけれども、私は不気味だなぁと思ってしまいました(^^;

いのちは限りあるものだからこそ美しいし、限りあるいのちだからこそ「どう生きるか」、「何にいのちを使うか」が大切なんだと思います。

それに、クララはジョジーの仕草や言葉遣いを完ぺきにコピーできるけれど、それはあくまで「コピー」でしかなくて。

見た目はどんなにジョジーでも、どんなに完ぺきにコピーすることができたとしても、本物のジョジーが生きてきた人生や心の奥深くに眠っている想いにまでは、やっぱり周囲が安易に触れてはいけないものなのではないでしょうか。

私、カタすぎますかね(^^;

ロボットと人間との共存、ロボットとしての役割、誰かが亡くなった後ロボットはその人物の代わりになりうるのか――。

AIが私たちの生活に欠かせないものになってきた今、人工知能を搭載した人型ロボットが私たちの生活に当たり前に存在する時代は、もうすぐそこまで来ているのかも・・・。

その時代が来たとき、この本は私たちに何かヒントをくれるのかもしれません。

カズオ・イシグロの小説『クララとお日さま』の口コミ

Amazonのサイトに『クララとお日さま』に関する口コミが載っていましたので、良い口コミと悪い口コミについて私なりにまとめてみました。

詳しい口コミ内容については、Amazonのサイトをご参照ください♪

良い口コミ

まずは良い口コミから。

・AIという商品を友人にするとはどういうことか、深く考えさせられた。
・科学と人間の関係や科学そのものの在り方について考えさせられる。
・本作には、人の心を浄化してくれる力があると思う。
・子どもや家族の幸福とは何かを追求しており、難しいけど面白かった。
・現代のようなカオスな時代あって、優しい気持ちで読むことができた。

悪い口コミ

では次に、悪い口コミについて見てみましょう。

・AF、ボックス、向上教育など、出てくる単語が意味不明で具体的な説明もない。
・節々で読者が置き去りにされている感じがあり、最後まで読んでもモヤモヤが残る。
・やや翻訳文がカタい感じがする。少し読みにくかった。
・周囲で評判が良さげで以前から気になっていた本だが、期待しすぎたかも。
・読み進めるうちに違和感と疑問点が多く出てきて、素直に物語に入り込めなかった。

まとめ

本日は、ノーベル文学賞受賞者であるカズオ・イシグロの小説『クララとお日さま』について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。

口コミを見ていると、「考えさせられた」という言葉をたくさん見かけました。

現代に生きる私たちの生活にとってもAIは欠かせない存在になってきており、ロボットと人間との共存について考えるべき時が来ているように思います。

と言うのも、そう遠くない将来にロボットが「心」を持つ時代が来るのではないかと私は考えているからです。

こう書くと、そんなこと絶対にありえないと嗤う人もいらっしゃるかもしれません。

でも、絶対に100%ありえないと言い切れますか?
言い切れるのなら、それを証明できますか?

ありえないことだと思っていても、もし万が一、何らかの拍子にロボットが「心」を持つようになったら・・・?

「心」を持ったことで人間のかなしみや苦しみに寄り添うことのできるロボットがいる一方、人間を抑圧し支配しようとするロボットももしかしたら現れるかもしれません。

もしもそうなったら人間は脆い生き物ですから、ひとたまりもないですよね(^^;

そんな時代が本当に来てしまう前に、科学の在り方や人間としての倫理を見つめ直してみても罰は当たらないのではないかと私は思いました。

ちょっと話が飛躍してしまいましたね。

本作はジョジーとその母親・父親との関係や、隣人リックとその母親との関係など、「家族」についても考えさせられる内容です。

子どものために最良の選択をしたいと思うのが親心だとは理解しつつも、それが本当に我が子のことを想ってのことなのか、単に親としての欲求を満たしたり体裁を繕いたいためなのか、判断は非常に難しいところですね(^^;

人間の愚かさやエゴが描かれている中でも、ただただ純粋にジョジーの幸せを願い、「お日さま」に祈り続けたクララの姿はとても健気で、優しい気持ちになれます。

ただ私は本作との相性が良くなかったのか、本作を読み終えてもそれほど面白いとは感じなかったのが正直な感想ですね・・・すみません(^^;

ノーベル文学賞受賞者の作品ということで期待しすぎたのかもしれません。

でも様々なことを深く考えさせられる小説であることは間違いないので、興味のある方はぜひ一度『クララとお日さま』を手にとってみてくださいね(^^)

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以上、読書ミュージアム館長の秋月春花がお送りしました♪

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