中国文学:『ワイルド・スワン』で文化大革命を学ぶ

海外文学

読書ミュージアム館長の秋月春花です♪

本日は、文化大革命の実態を真正面から描き出した中国文学『ワイルド・スワン』についてレビューしていきます。

 

ワイルド・スワン 上 (講談社+α文庫)

ワイルド・スワン 下 (講談社+α文庫)

『ワイルド・スワン』がどういった小説なのか、実際に読んだ感想など、ありのままに綴っていきたいと思います♪

販売業者アマゾンジャパン合同会社
運営責任者ジャスパー・チャン
所在地〒153-0064 東京都目黒区下目黒1-8-1
電話番号0120-899-543

 

『ワイルド・スワン』の値段と構成および概要

『ワイルド・スワン』は講談社より日本語訳が出ています。(訳・土屋 京子)

<上><下>の2冊に分かれており、金額は税込で下記の通りです。

<上>Kindle版:1,540円、ハードカバー:1,825円、文庫:1,540円
<下>Kindle版:1,540円、ハードカバー:2,900円、文庫:1,540円

物語は、下記のように構成されています。

<上>
日本のみなさんへ
二〇〇七年新版によせて
第一章 「三寸金蓮」
第二章 「ただの水だって、おいしいわ」
第三章 「満州よいとこ、よいお国」
第四章 「国なき隷属の民」
第五章 「米十キロで、娘売ります」
第六章 「恋を語りあう」
第七章 「五つの峠を越えて」
第八章 「故郷に錦を飾る」
第九章 「主人が高い地位につけば、鶏や犬まで天に昇る」
第十章 「苦難が君を本物の党員にする」
第十一章 「反右以降、口を開く者なし」
第十二章 「米がなくても飯は炊ける」
第十三章 「だいじなだいじなお嬢ちゃん」
第十四章 「父よりも、母よりも、毛主席が好きです」
<下>
第十五章 「まず破壊せよ、 建設はそこから生まれる」
第十六章 「天をおそれず、 地をおそれず」
第十七章 「子供たちを『黒五類』にするのですか?」
第十八章 「すばらしいニュース」
第十九章 「罪を加えんと欲するに、 何ぞ辞無きを患えんや」
第二十章 「魂は売らない」
第二十一章 「雪中に炭を送る」
第二十二章 「思想改造」
第二十三章 「読めば読むほど愚かになる」
第二十四章 「どうか、 ぼくの謝罪を聞いてください」
第二十五章 「かぐわしい風」
第二十六章 「外国人の屁を嗅いで芳香と言うに等しい」
第二十七章 「これを天国と呼ぶなら、 何を地獄と言うのか」
第二十八章 翼をこの手に
エピローグ
訳者あとがき
年譜

<上><下>で14章ずつに区切られており、各章にはサブタイトルが付けられています。

清朝滅亡、満州事変、国共内戦、中華人民共和国成立、大躍進運動、そして文化大革命──時代の波に翻弄されつつも、過酷な現実と向き合い闘い続けた母娘3代の姿を描くノンフィクションです。

<上><下>の合本版は、Kindle版で2,475円(税込)で購入できます。

別々で買うよりダンゼンお得ですね♪♪

『ワイルド・スワン』<上><下>セットの購入はこちら。

『ワイルド・スワン』の作者について

『ワイルド・スワン』の作者は、1952年生まれの中国人作家ユン・チアンです。

本作の他、『マオ 誰も知らなかった毛沢東<上><下>』、『西太后秘録 近代中国の創始者<上><下>』など、世界史にその名を残す人物についての著作があります。

ユン・チアンは、中国共産党高級幹部の両親のもとに生まれ、文化大革命へと突き進む激動の時代の中で、自身も紅衛兵として「革命」に参加した人物です。

その後、農村に下放されて農民として働く一方、無資格医師、機械工場の鋳造工、電気工を経て四川大学英文科に入学、同大学での講師も経験しました。

1978年にイギリスに留学し言語学の博士号を取得、現在もロンドン在住です。

本作『ワイルド・スワン』は1991年に発表された自伝的ノンフィクション作品で、世界的ベストセラーとなりました。

『ワイルド・スワン』の内容

『ワイルド・スワン』は、文革当時の中国と中国共産党の内情を鋭く抉り出した内容になっています。

作者の祖母、母、そして作者自身の3代にわたる年代記として描かれてはいますが、近現代の中国の歴史を知る上でも非常に貴重な読み物として、大変参考になります。

登場人物

ここで、『ワイルド・スワン』の登場人物について簡単に説明しておきましょう。

物語は、作者の家族を主軸にして進んでいきます。

・玉芳:作者の祖母。1924年、15歳で軍閥将軍の妾になる。死別後、夏先生と再婚。
・宝琴:作者の母。後に夏先生より「夏徳鴻」の名を与えられる。
・二鴻:作者。
・王愚:作者の父。王愚は仮名で、本名は「張守愚」。

毛沢東、周恩来、劉少奇、鄧小平、華国鋒など、歴史上の人物はそのまま実名で登場します。

あらすじ

『ワイルド・スワン』のあらすじについて簡潔に書いてみます。

ネタバレが嫌な方は読み飛ばしてくださいね。

物語は、作者の祖母が軍閥将軍の妾になるところから始まります。

当時、祖母は15歳──清朝末期、封建的な風習は消えかかっていたものの、祖母自身は二歳の頃から纏足をさせられ、激しい苦痛に耐えなければならない日々でした。

満州国が成立する直前に生まれた作者の母は、新しい支配者となった日本の占領政策のもとで成長します。

第二次大戦終結後、日本軍に代わって支配者が様々に入れ替わる中で、国民党勢力が徐々に台頭してきます。

共産党に入党した母は、すでに共産党の高級幹部だった父と知り合い、やがて結婚──国共内戦を経て中華人民共和国が成立したのち、作者が誕生します。

反革命鎮圧運動が続く激動の中国は、やがてさらなる国内混乱を招く文化大革命へと突き進んでいきます。

中国全土で容赦なく吹き荒れる迫害の嵐──それは作者一家にとっても例外ではなく、激しい迫害の中でついに逮捕された父は、精神に異常をきたしてしまいました。

文革の犠牲者となった後も、一家への迫害は続きます。

「思想改造」という名のもと、労働キャンプに送られる両親。

作者自身も、農村に下放されます。

やがて毛沢東が死去し「四人組」が逮捕されると、中国は新しい時代への道を模索し始めました。

作者もまた四川大学への入学、そしてイギリス留学へと自身の道を切り拓いていきます。

文化大革命の残虐な姿のすべてを目撃した作者は、「野生の白鳥」として羽ばたく日を夢見続けます。

『ワイルド・スワン』を読んだ感想

近現代の中国を舞台にしたノンフィクションであり、非常にショッキングな描写も多いです。

目を背けてはいけないと思いつつも、あまりにも凄惨な描写に私は途中から読むのがだんだん辛くなってきてしまいました…。

一通り最後まで読んでみて、中国という国の歴史を知ることができて良かったと思う反面で、当時の中国が選んできた道について疑問に思わざるを得ない部分もありました。

「狂気の沙汰」と言ってもいいくらいの毛沢東の神格化、人びとへの洗脳教育…人を人とも思わないやり方には、読んでいるうちに怒りの感情すら湧いてきます。

政治とは、どうあるべきか。

国のトップのあるべき姿とは。

人びとの幸せとは。

決して中国だけの話ではなく、どこの国でも(もちろん日本でも)抱えている現在進行形の課題として、深く考えさせられる内容でした。

ちなみに、本作に出てくる地名や人名は中国語読みです。

漢字には慣れている日本人でも、中国語読みは独特なこともあり少々戸惑うかもしれません。

『ワイルド・スワン』の口コミ

Amazon.co.jpに『ワイルド・スワン』に関する口コミが載っていましたので、良い口コミと悪い口コミについて私なりにまとめてみました。

詳しい口コミ内容については、Amazonのサイトをご参照ください♪

良い口コミ

まずは良い口コミから。

・中国人のもつ感性やギャップ、中国の歴史が辿ってきた経緯を学べる。
・冷静な分析と観察力をもって描かれた傑作。
・中国の文化や習慣、体制について外国人にもわかりやすく説明されている。
・自分が知らない中国の姿を垣間見て驚きと衝撃の連続だった。
・衝撃的な内容で傷つきもしたけど、読んで良かったと思える本。

悪い口コミ

では次に、悪い口コミについて見てみましょう。

・歴史的事実をただ羅列しているだけ。
・物語としては、もうひとひねりあってもいいかも。
・中国出身者との初対面時にこの本の話題を出さないほうが良い。
・上巻は祖母や母の話が中心なので退屈。
・上下合本版を購入すれば別で購入するより安価なのに明記されていない。

まとめ

中国文学『ワイルド・スワン』について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。

本作は文化大革命について真正面から切り込んでおり、その実態は本作一冊読むだけでもかなり詳細に学ぶことができます。

口コミを読んでいると、「衝撃的内容」「本当の中国を知ることができた」といった声が全体的に多い印象です。

狂乱と混乱の極みにあった中国の裏側を暴き出しているという点では、歴史的にも非常に貴重な読み物であると私も感じます。

文化大革命の実態や毛沢東という人物についてはこれまで表立って語られることも少なかったですし。

この手の話題は中国と中国人にとって未だタブーですし、まして中国人から見た文化大革命を描くともなると、作者の身の危険すら案じられてしまうほど大変なことだと思います。

実際、本作は中国では発禁処分になっています。

現実にあったこととはいえ目を覆いたくなるような凄惨な描写も多く、私はそういった描写が非常にニガテです(>_<)

「歴史の事実から目を逸らしてはいけない」と思いつつも、読んでいる途中で気分が悪くなってしまったこともありました。

上記の理由から、この本を人にすすめられるかとなると、正直なところちょっと気が引けてしまいます(^^;

そうは言っても、近現代の中国史、文化大革命の実態について詳しく知りたい方にとっては非常に有益な読み物であることには違いありません。

また、今後中国と関わっていきたい方、仕事などで中国とつながりがある方、そしてまた純粋に中国に興味がある方も、一度読んでみても決して損ではないでしょう。

気になる方は、ぜひ読んでみてくださいね(^^)

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以上、読書ミュージアム館長の秋月春花がお送りしました♪

 

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