読書ミュージアム館長の秋月春花です♪
本日は、ミュージカル版の劇中歌「民衆の歌」で知られる小説『レ・ミゼラブル』についてレビューしていきます。
『レ・ミゼラブル』がどういった作品なのか、実際に読んだ感想など、ありのままに綴っていきたいと思います♪
販売業者 | 大日本印刷株式会社 |
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運営責任者 | 田宮 幸彦 |
所在地 | 〒141-8001 東京都品川区西五反田3-5-20 |
電話番号 | 0120-29-1815 |
『レ・ミゼラブル』の値段と構成および概要
『レ・ミゼラブル』はいくつかの出版社から日本語訳が出ていますが、今回は私が実際に読んだ新潮文庫版(訳・佐藤 朔)について書きますね。
値段はすべて税込で下記の通り。
『レ・ミゼラブル(二)』電子書籍版:825円、文庫版:825円
『レ・ミゼラブル(三)』電子書籍版:737円、文庫版:737円
『レ・ミゼラブル(四)』電子書籍版:979円、文庫版:979円
『レ・ミゼラブル(五)』電子書籍版:825円、文庫版:825円
物語の構成については、下記のように大きく五つに分けられています。
第二部 コゼット
第三部 マリユス
第四部 プリュメ通りの牧歌とサン・ドニ通りの叙事詩
第五部 ジャン・ヴァルジャン
この中でさらに細かく章立て、項目立てされています。
概要を簡単に述べると、徒刑囚だった男ジャン・ヴァルジャンが辿った壮大な人生の物語です。
ちなみに、電子書籍版にて全巻セットも販売されていまして、その値段は税込4,235円!
残念ながら全巻まとめて購入しても特に割引にはならないのですが、一冊ずつ買うのが面倒だという方はぜひ全巻セットを買っちゃいましょう♪♪
『レ・ミゼラブル』の作者
『レ・ミゼラブル』の作者は、19世紀前半のフランス・ロマン主義を代表する文豪、ヴィクトル・ユーゴーです。
※「ユゴー」との表記もあり、今回の記事では新潮文庫の表記に倣って以下「ユゴー」で統一しますね。
本作の他、日本では『ノートル=ダム・ド・パリ』、『九十三年』、『死刑囚最後の日』などが有名です。
ユゴーは小説だけでなく詩人としての才能も早くから開花しており、膨大な量の詩を残しました。
また政治活動にも積極的に身を投じており、その後19年にもおよぶベルギーでの亡命生活を経験することになります。
帰国後は祖国フランスで英雄として迎え入れられ、やがて83歳で死没、国葬でもって埋葬されました。
ちなみに、ユゴーは最も短い手紙のやりとりをした人物としても有名で、『ギネス世界記録』にも登録されているんです!
その内容は、出版社に対して売れ行きをたずねる「?」という手紙を出し、出版社からの返信として、上々です!を意味する「!」という手紙を受け取った、というものです。
大文豪ユゴーの名がギネスブックにも載っているなんて、少し親しみが湧きませんか?(笑)
本作『レ・ミゼラブル』については、日本では『ああ無情』というタイトルのほうが馴染みのある方もいらっしゃるかもしれません。
児童文学としても出版されており、小説としての質の高さを伺わせます。
『レ・ミゼラブル』の内容
『レ・ミゼラブル』の内容については、元徒刑囚のジャン・ヴァルジャンという男が様々な困難や出会いを通し、壮絶な人生を生き抜いていく物語です。
物語自体は暗く重いですが、その根底にはユゴーの「人類への限りない愛」が溢れており、人間の醜さ、愚かさ、そしてまた人間としての美しさを謳った渾身の一作です。
登場人物
ここで、『レ・ミゼラブル』の登場人物について簡単に説明しておきましょう。
・ファンチーヌ:お針子、女工などを経て売春婦となる女性。隠し子がいる。
・コゼット:母の名も顔も知らぬ少女。後にヴァルジャンに引き取られる。
・マリユス:祖父と対立し、家を飛び出した貧乏青年。パリで弁護士を務める。
他にも、下記のような人物が出てきます。
・テナルディエ:ヴァルジャン、コゼットと因縁がある悪党。
・アンジョルラス:容姿端麗な青年。ある秘密結社の首領を務める。
・ガヴローシュ:パリの路上で生きる浮浪児。
まだまだたくさん出てきます。
ヴァルジャンには複数の偽名があるものの、他の人物については一つの名前で登場するため、海外文学作品によくあるような、登場人物名の把握で苦戦することは少ないかもしれません。
あらすじ
『レ・ミゼラブル』のあらすじについて簡潔に書いてみますね。
家族を養う必要からたった一片のパンを盗んだために徒刑囚となってしまった男ジャン・ヴァルジャン。
長い監獄生活の中で人間社会への憎悪を募らせてしまった彼でしたが、一人の司教と出会ったことで改心します。
様々な偽名を駆使し、正しい道を歩み始めるヴァルジャン。
しかし、その途上には様々な困難が待ち受けていました。
数奇な運命に巻き込まれてゆくヴァルジャンが目指した「正しい人」の在り方とは。
そして、彼が最後に伝えたかったこととは――。
『レ・ミゼラブル』を読んだ感想
ここからは『レ・ミゼラブル』を読んだ感想について書きますね。
読み終わった感想としては、「やっと終わったなぁ」というのがまず最初に感じた気持ちです。
とにかく長かった・・・(笑)
物語とは直接関係の無い話が延々と続くページもあるので、その意味では読みづらさもありましたね。
しかし、さすがフランス文学史上屈指の名作と言われるだけあって、単なる創作にはとどまらない「読者に考えさせる力」を持った小説だと思います。
正しく生きるとはどういうことか、人を愛するとはどういうことか。
なかなか簡単には答えの出るものではありません。
しかし、現代に生きる私たちにとっても、この二つは関心の高いテーマだと思います。
暗いニュースが多いこんな世の中だからこそ、自分なりの正しい生き方を模索していければいいなと思いました。
また、本作はジャン・ヴァルジャンが主人公という位置づけにはなっているものの、読み方によってはコゼットやマリユスを主人公として捉えることもできます。
読み手によって様々な解釈ができるというのも、この小説の魅力の一つと言えるのではないでしょうか。
『レ・ミゼラブル』の口コミ
本作の販売サイトに『レ・ミゼラブル』に関する口コミが載っていましたので、良い口コミと悪い口コミについて私なりにまとめてみました。
詳しい口コミ内容については、こちらの販売サイトをご参照ください♪
良い口コミ
まずは良い口コミから。
・手に汗握る展開が多く、楽しみながら読むことができる。
・ページを読む手が止まらず、次へ次へとどんどん惹かれて最後まで目が離せなかった。
・映画では語られていない部分まで読めるので、スケールの大きさに圧倒された。
・人間の愛、闇が細かく書かれていて面白かった。
悪い口コミ
では次に、悪い口コミについて見てみましょう。
・本筋とは関係ない部分は読み流した。そこまで読もうと思うと根気が必要かも。
・訳が古いので文体なども古く、いま読むと読みづらいように感じる。
・本筋以外の部分や作者の私見は勉強にはなるものの、物語の腰を折っていると思う。
・本編と繋がらない部分になぜページを割く必要があったのか著者の意図を知りたい。
まとめ
本日は、ミュージカル版の劇中歌「民衆の歌」で知られる小説『レ・ミゼラブル』について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。
口コミの中には、本筋とは関係のない話が多かったので読み飛ばしてしまったという文章をちらほら見かけます。
「これって物語と関係ないのでは?」と感じる内容が何ページにもわたって書かれているので、私自身も読みにくいなぁと感じたのは確かです。
しかし、本作に限らずユゴーの作品にはこういった手法が多く、一見すると物語とは関係がないように思えるけど、そこには実はとても重要なことが書かれているんですよね。
そしてそれらの内容が「そういうことだったのか!」と繋がってくるのは何度か再読を重ねてからなので、なかなか一度読んだだけで理解するのは難しいかもしれません。
また、作品全体を通して決して明るい気持ちで読める内容ではないので(微笑ましいロマンスの描写はありますが)、その意味では心の準備は必要になるかと思います。
ここで少し本作のタイトル『レ・ミゼラブル』について説明しておくと、日本語では「悲惨な人びと」、「哀れな人びと」という意味になり、その言葉通り、本作に登場する人物たちには次から次へと不幸が襲いかかってきます。
これでもか、これでもかと、あまりにも悲惨で残酷な場面に、思わず目をそむけたくなってしまいました・・・。
その不幸の根本原因になっているのは、貧困です。
本作の舞台はフランス革命後の激動の時代であり、経済や政治をはじめ、国そのものが何もかも混乱の渦中にありました。
日々不満を重ねながら貧困にあえぎ、苦しんでいたのは、何の罪もない民衆なのです。
そんな民衆の不満が爆発したのが「六月暴動」であり、街にバリケードを築いた市民たちが権力を相手に闘いを繰り広げることになります。
この六月暴動を元にした内容が本作でも描かれており、マリユスやアンジョルラスはこの闘いに参加しました。
貧困の中にあって、人間らしい生活を取り戻すために立ち上がった民衆の姿がここにあります。
その場面を描いた歌が今回のブログタイトルにも書いた「民衆の歌」であり、ミュージカルや映画で歌われているのはあまりにも有名ですね。
私はミュージカル自体は観たことはないものの、この歌は好きでよく聴いていました。
聴けば聴くほど涙が溢れて止まらない素晴らしい曲です(;_;)
本作に貫かれている大きなテーマは「愛」ですが、自由と正義を勝ち取るためにそのいのちを捧げた民衆がいたことも決して忘れてはなりません。
正しく生きること、人を愛すること、そして人間が人間らしく生きること。
本作には、現代に生きる私たちにとっても避けて通ることのできない深い哲学が込められていると言えるのではないでしょうか。
興味があれば、ぜひ一度手にとってみてくださいね(^^)
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以上、読書ミュージアム館長の秋月春花がお送りしました♪
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