ロシア文学:『カラマーゾフの兄弟』は最高傑作?

ロシア文学

読書ミュージアム館長の秋月春花です♪♪

本日は、「最高傑作」と世界的に名高いロシア文学『カラマーゾフの兄弟』についてレビューしていきます。

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟〈上〉』 (新潮文庫)

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟〈中〉』 (新潮文庫)

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟〈下〉』 (新潮文庫)

『カラマーゾフの兄弟』がどういった小説なのか、実際に読んだ感想など、ありのままに綴っていきたいと思います♪

販売業者アマゾンジャパン合同会社
運営責任者ジャスパー・チャン
所在地〒153-0064 東京都目黒区下目黒1-8-1
電話番号0120-899-543

 

『カラマーゾフの兄弟』の値段と構成

『カラマーゾフの兄弟』はいくつかの出版社から日本語訳が出ていますが、今回は私が実際に読んだ新潮文庫版(訳・原 卓也)について書きますね。

新潮文庫版は<上><中><下>の3冊に分かれており、金額は下記の通りです。

物語の構成は、それぞれ下記の通りです。

<上>
作者の言葉
第一部
第一編  ある家族の歴史
第二編  場違いな会合
第三編  好色な男たち
第二部
第四編  病的な興奮
第五編  プロとコントラ
<中>
第二部(続)
第五編 プロとコントラ(続)
第六編 ロシアの修道僧
第三部
第七編 アリョーシャ
第八編 ミーチャ
第九編 予審
<下>
第四部
第十編 少年たち
第十一編 兄イワン
第十二編 誤審
エピローグ
解説
年譜

このように第一部から第四部までそれぞれ三つの編から構成され、編の中でさらに細かく章立てされており、その中でも「大審問官」の章が最も有名です。

遺産相続や異性関係をめぐる父と子の争い、発生する謎の殺人事件など、カラマーゾフ家の三兄弟を中心にして展開されるヒューマン物語です。

<上><中><下>3巻すべてセットになったものもあるので、気になる方は一気にまとめて買っちゃうのもアリですね♪

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『カラマーゾフの兄弟』の作者について

『カラマーゾフの兄弟』の作者は、19世紀後半のロシア文学界を代表する文豪ドストエフスキーです。

本作の他に『罪と罰』、『白痴』、『悪霊』、『未成年』などが有名です。

ドストエフスキーは、非常に賭博好き・女好きとして知られる人物です。

作家としては『貧しき人びと』で華々しいデビューを飾ったものの、賭博好きなその性格が災いし、生涯を通して貧しかったと言います。

また、ドストエフスキーは、空想的社会主義サークルのサークル員になったことからシベリアに流刑され、持病のてんかんが悪化しました。

この経験を通して、理想主義的社会主義者からキリスト教的人道主義者へと思想が変化していきます。

賭博好き、女好き、シベリア流刑、思想の変化、てんかん持ち、こうした性格や経験はドストエフスキーの創作に強く影響を与えており、多くの作品に反映されています。

本作『カラマーゾフの兄弟』もまたドストエフスキーの性格や思想が色濃く描き出されている作品で、ドストエフスキーの生涯の中で最後に書かれた長編小説です。

『カラマーゾフの兄弟』の内容

<上><中><下>の3冊に分かれていることからも察せられる通り、『カラマーゾフの兄弟』は長編小説で、内容も宗教を主題に据えたものになっており、かなり難解です。

また、小説のタイトルに「兄弟」という言葉が入っているように、ドミートリイ、イワン、アリョーシャの三兄弟が主軸となって物語が進んでいきます。

登場人物

ここで、『カラマーゾフの兄弟』の登場人物について簡単に説明しておきましょう。

まず、メインとなるカラマーゾフ家の三兄弟について。

・長男ドミートリイ:酒色に溺れる激情家。
・次男イワン   :冷徹なインテリ。
・三男アリョーシャ:純真な心を持つ敬虔な修道僧。

他にも、こんな人物が出てきます。

・フョードル  :三兄弟の父親にして物欲の権化。
・スメルジャコフ:カラマーゾフ家の使用人の一人でフョードルの私生児とされる。
・カチェリーナ :ドミートリイの婚約者。
・グルーシェニカ:ドミートリイとフョードルの両方を手玉にとる。
・ゾシマ長老  :アリョーシャの精神的支柱。

実にたくさんの登場人物が出てきますね。

あらすじ

『カラマーゾフの兄弟』のあらすじについて簡潔に書いてみます。

ネタバレが嫌な方は読み飛ばしてくださいね。

カラマーゾフ家の三兄弟は、兄弟でありながら別々に育てられ、成長しました。

ある日、ゾシマ長老の計らいで父親のフョードルと三兄弟が一堂に会することになりますが、フョードルと長男ドミートリイの折り合いは悪く、以前から二人が遺産相続やグルーシェニカという女性をめぐって醜い争いを続けていたこともあり、この日も顔を合わせた途端に二人の大げんかが始まってしまいました。

ドミートリイにはカチェリーナという名の婚約者がいますが、次男のイワンはカチェリーナを愛しており、そのことを知るドミートリイは、イワンと一緒になるようにとアリョーシャを通してカチェリーナに伝えます。

ドミートリイの伝言をカチェリーナに伝えたアリョーシャですが、その場にはグルーシェニカもおり、グルーシェニカとカチェリーナも対立することになってしまいました。

やがてゾシマ長老が死去すると、ドミートリイはカチェリーナとの縁を切るために金の工面に奔走し、父フョードルの金を盗もうとします。

しかし、その現場を使用人に見つかり逃走、グルーシェニカのいる場所に急行するも、その直後に警察に逮捕されてしまいます。

容疑は、父フョードル殺し。

謎に包まれたその事件の犯人はドミートリイであるとされ、証言もドミートリイに不利なものが多く、容疑者として連行されてしまうのでした。

犯人をドミートリイと見るイワンと、犯人をスメルジャコフと見るアリョーシャ。

見解の違いにイワンはアリョーシャと絶交しますが、イワンがスメルジャコフに問いただしたところ、スメルジャコフが犯行を自白したもののフョードルを殺すよう仕向けたのはイワンであると告げました。

イワンは、明日の裁判で真実を話すようスメルジャコフに迫りますが、その後スメルジャコフは自殺してしまいます。

翌日の裁判で、関係者の証言により徐々にドミートリイにとって有利に傾き始めますが、カチェリーナの態度が一変したことで裁判は思わぬ方向に進んでいきます。

ドミートリイは自分の無実を頑なに主張し続け、弁護士の見事な最終弁論によって聴衆は感動を与えられもしましたが力およばず、結果は有罪、ドミートリイはシベリア流刑懲役20年を言い渡されてしまいました。

エピローグでは、登場人物のその後について描かれています。

『カラマーゾフの兄弟』を読んだ感想

まず一言、非常に難解です。

そして長編小説というだけあって物語自体も非常に長く、登場人物の台詞も長ければ、一つ一つの文章も長いです・・・。

特に法廷の場面での弁護士による最終弁論は約50ページにわたっており、ここを読むだけでも相当な根気が要ります(^^;

加えて、物語全体を通して「神」や「信仰」の話が出てくるため、あまり宗教に馴染みのない日本人にとっては退屈とさえ感じるかもしれません。

『カラマーゾフの兄弟』は世界的に「最高傑作」と謳われているものの、本作に対する私の理解がそもそも追いついていないこともあり、最高傑作と呼ぶにはなかなか無理があるような気がしました(^^;

しかし、登場人物一人ひとりの個性は大変際立っており、人間関係も細やかに描かれています。

「人間とは何か」「愛とは何か」といった哲学的なことを考えさせられる場面も多く、その意味では非常に読み応えのある作品と言えるでしょう。

『カラマーゾフの兄弟』の口コミ

Amazon.co.jpに『カラマーゾフの兄弟』に関する口コミが載っていましたので、良い口コミと悪い口コミについて私なりにまとめてみました。

詳しい口コミ内容については、Amazonのサイトをご参照ください♪

良い口コミ

まずは良い口コミから。

・読み始めは辛かったが、上巻の後半から面白くなってきた。
・ロシアの人の風習、民族性、考え方がよく分かり、非常に面白かった。
・「人間」について深く考えさせられる本。
・上中下の三分冊になっており、持ち運びに便利。
・新潮文庫の日本語訳は、他のに比べると非常にわかりやすくて良い。
・上巻、下巻に比べて話の脱線が少ないためか、中巻が一番読みやすい。

悪い口コミ

では次に、悪い口コミについて見てみましょう。

・ページ数の多さに辟易。
・人名と俗称が飛び交っており、読んでいてイライラした。
・有名と言われる「大審問官」の章の良さが全然わからず、苦痛だった。
・読むのに10日以上かかった。
・会話は長く、改行も無く、使っている言葉も独特で分かりにくい。
・カバー絵が写真と実物で違うため、きちんと明記すべき。

まとめ

ロシア文学『カラマーゾフの兄弟』は最高傑作かどうかについて書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。

口コミを読んでいると、「長い」、「読むのに時間がかかった」という声が非常に多い印象です。

300ページくらいの文庫本なら普段1日で読んでしまう私も、『カラマーゾフの兄弟』については1冊が600ページを超えていることもあり、3冊すべて読み切るのに10日間近くかかりましたので、確かにかなりの労力と時間が必要ですね・・・。

正直、読むだけで心も体も疲れます(笑)

また、ロシア文学によくありがちですが、一人の人物に対して複数の呼称が存在するので、誰のことを言っているのか混乱することも多く、なかなかスムーズに読むのは難しいです。

そして、これまたロシア文学によくあることとして、物語の最初は単純な情景描写や淡々とした話が延々と続き、これが異常に長いのです・・・この部分さえ乗り切れば物語後半からはどんどん面白くなってくるのですが(^^;

本作は宗教の話とも密接に結びついており、ある程度宗教についての知識も必要になるかと思いますので、自信を持って人にすすめられるかと聞かれたら・・・私は正直言ってオススメしません。

まして読書初心者の方がいきなりこれを読むとなったら、間違いなく読書嫌いになってしまうでしょう(苦笑)

しかし、なんといっても『カラマーゾフの兄弟』は「最高傑作」と世界的に謳われている名作です。

小説の中に描かれている19世紀当時のロシア人の生活や考え方、宗教に対する関心や理解を深めた上で本作を読破することができれば、最高傑作だと感じられる日も来るに違いありません。

また、哲学的なことを考えさせられる作品でもあるので、そういった話が好きな方や宗教に興味のある方にとっては、オススメの一冊と言えるでしょう。

最後まで読み終えたときの達成感もひとしおなので、時間と根気のある方はぜひチャレンジしてみてくださいね(^^)

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以上、読書ミュージアム館長の秋月春花がお送りしました♪

 

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